輸送の安全確保は最優先、全社一丸となって取り組む。

株式会社トーリク様(神奈川県平塚市四之宮)
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登場人物(2022年5月取材当時)
株式会社トーリク 代表取締役会長 鈴木 康昭様
UDトラックス株式会社 神奈川西部地域営業部 カスタマーアドバイザー 堀井 高志

株式会社トーリク代表取締役会長の鈴木様。日産自動車(株)出身。自らを「物流屋」と呼ぶほど物流界に造詣が深い。会長職就任後も、精力的に会社の抜本的な改革を実行されている。

神奈川西部地域営業部 カスタマーアドバイザーの堀井。株式会社トーリク様にお伺いしてから、はや5年目。UDトラックス車両の納入を着実に増やしている、その丁寧で真摯な営業アプローチには定評がある。

創業68年という長い歴史をもつ輸送会社、株式会社トーリク様。関東圏・中部地方を中心に15の事業拠点で営業し、幅広い輸送ネットワークをもつ勢いのある企業です。多くの顧客から同社が選ばれてきたその経緯、そしてUDトラックスのフラッグシップ大型トラックQuon(クオン)を導入した理由について、当社の堀井が、会長の鈴木様にお伺いしました。

 

経営課題は人材育成からオーナー企業からの卒業

(堀井) 社長職を勇退され今は会長として手腕を発揮されている鈴木様ですが、経営課題として重要にとらえているポイントは何かございますか?

(鈴木) 喫緊の経営課題であれば、慢性的なドライバー不足や高齢化の問題。また、原油価格高騰による燃料費の問題で、業績の変動が大きいことですね。長期的な課題では、人材育成の問題があります。私は2010年にトーリクの社長に、会長職は2017年に就任したのですが、それまでのトーリクはオーナー企業でした。上から言われたことはどんなことがあっても、忠実に絶対にやり通す。一体感があり、もの凄くまとまりがある体育会系的な会社でした。大事なことはすべて上が決め、指示待ちの状態。その代わり決めてくれたら何でもやりますよという……。強みのように見えて、裏返すとそれは弱みでもあるんですね。社内で議論したり、社員が自発的に意見を出し合ったり、そんな体質の会社に変えなくてはいけないと思いました。私が着任してからの経営課題というのは、オーナー企業の不断の努力の良さが故に、組織として弱い部分があったというのが本音です。


ロジスティクスの強力化は物流センターで決まる

(堀井) 今でも企業の磨き上げや組織改善は、続いてはいるのでしょうか?

(鈴木) 以前の弊社は、オーナー企業なので営業部隊がいない、請け負った仕事をしっかり守っていくスタイルの会社でした。加えて、トラックは保有しているんですが、拠点が充実していなかったこととシステムを持っていなかったため、そうした弱みを補うための投資を実施しました。物流を伴うロジスティクスは、システムがないと他社と競争ができません。今後、事業を拡大していくにあたり、物流センターをさらに新設したいという考えはあります。弊社は、荷物を一時保管するための場所としての機能だけではなく、ロジスティクスの強力化を担う場所として物流センターを運用しています。今は群馬と小牧に大きな物流センターがありますが、既存の小さい倉庫を統廃合していき、希望ではあと2ヵ所ほど関東に増やしたい。やはり車両を持って、拠点を持って、システムを持っていないとロジスティクスの営業はできないですね。「倉庫が空いてるから使えます、トラックが余ってるから運びます」だけでは、差別化も図れないし競争もできない。お客様に対してソリューションのご提供は難しいと思います。


輸送の安全は何ものにも勝る安心・安全なくして信頼なし

(堀井) 御社の特色でもある、安全に対する取り組み方についてご教示ください。

(鈴木) いま行っている多くの安全施策はホームページに載せています。手を替え品を替え色々と試行錯誤していますが、運送業界の中で弊社ほど安全に力をいれている企業はほかにないと自負しています。3年前から始めて、手応えを感じているのは「コメンタリー運転」です。

(堀井) 刻々と移り変わる道路や交通の状況について、声に出すことによって安全意識を高める運転方法ですね。

(鈴木) そうです。あたかも実況放送をしているように話しながら、走行する運転方法です。注意力の低下を防ぎ、危険に対する警戒心を高めることができます。月替わりで、声出しのメニューを変えているのですが、例えば、今月は信号機の確認。翌月は、一時停止。マンネリ化しないように、テーマを変えています。ドライバーに対して安全運転に注意しろと言っても、常に見張っていることはできません。ドライバー自身が行動に繋がる言葉で安全意識を高めるのは、効果的だと思いました。

(堀井) ドライブレコーダーに関しても御社の特色があるとお聞きしましたが?

(鈴木) ほかの運送会社さんもドライブレコーダー導入は必須と思いますが、弊社では安全管理部署が全車のデータをすべてチェックしています。例えば、割り込みをされた・車間距離の詰めすぎの癖・その他のヒヤリハットなど……。テーマ別に見える化することで、全社展開でKYT(危険予知訓練)のトレーニングを実施するようにしています。運転中に遭遇する様々な道路交通のシーンで、事故原因になる危険要因を事前に予測し、的確に危険回避をする日々の訓練が必要だと思います。

(堀井) 自社データを分析したものですから、いつかは自分の身に起こるかもしれないという危機感が高まり、より注意喚起・事故防止の効果が期待できそうですね。私も微力ながらトーリク様に保安部品のご提案をし、安全性向上のお手伝いをさせていただきました。ハイルーフ後部の上側に装着するLED車高灯です。高い位置にも設置することで、後続車からの視認性を高める効果があります。特に夜間における、追突事故・巻き込み事故の危険性を低減させることができます。御社の安全輸送に寄与すると思い、ご担当の方にお試しでの装着をご提案させていただきました。以後、トーリク様には、すべてこの保安部品を標準装備として納車させていただいております。

事業拠点数15ヵ所、総従業員数270人、ドライバー数180人、物流トラック200台の安定稼働を支える、神奈川県平塚市にある本社従業員の面々。トーリクの将来像を描きながら、日々の業務を笑顔で励んでいる。

初代オーナーの松尾 雄氏が考えた経営理念や信条を書き込んだクレド。鈴木様は社長に就任しても文言を一切変えずに、迷ったときや何か新しいことをするときは、原点に立ち戻るようにと、今でも全社員へ渡す手帳に記載し配布している。

トラックが人に合わせる大きな時代の変化

(堀井) 複数台のUDトラックス車両を納車させていただいていますが、その後の稼働状況やご評価はいかかでしょうか?

(鈴木) 2017年の東京モーターショーの際、「日本の市場に、日本の物流にマッチするように、UDトラックスはどんどん変わります」とお聞きして、私がUDトラックスの導入台数をもっと増やしてもいいなと思ったのがきっかけですね。

(堀井) 2017年には、フルモデルチェンジした新型Quonの発表もございました。

(鈴木) 以前には、堀井さんにご準備いただきQuonに試乗させていただきました。ESCOT-ⅥとUDアクティブステアリングが装備された最新型のQuonです。とは言え大型車は、しっかりステアリングを握って、直進も自分でコントロールするというのが昔気質の私のイメージ。なにしろ55年前に取得した大型免許なもので。今回の試乗では何といっても、安定性・直進性・操作性の高さにビックリしました。今はこんな新機能を持ったトラックが存在しているんだなぁと、感心しきりです。弊社ドライバーにも、UD車両は評判がいいですよ。乗りたがる人は多いです。

 

もっと人に寄り添う頼もしいQuonへ

(鈴木) UDトラックスさんには、堀井さんを含め丁寧にご対応していただいています。今後プロダクト面で期待する点としては、より安全性が高く、ドライバーの負担が減るような機能が増えると嬉しいですね。弊社でもドライバーの高齢化が進み、70歳を過ぎて乗車する従業員が2人もいます。高齢者でも安全に操作できるような大型トラックを目指せるならば、どのような技術開発が進んでいて、近々に実現しますというような情報をいただけると嬉しいです。

(堀井) トーリク様はやはり安全に力を入れている企業なので、過去には上尾工場内にあるUDエクスペリエンスセンターでトーリク様専用に安全講習会を何度か開催させていただきました。今後も引き続き、アフターフォローも含めて、UDトラックスから購入して良かったと言っていただけるように、様々な価値ある情報をご提案したく思います。私自身がトーリク様との懸け橋となり、UDトラックス全域で新事業へのお手伝いができたらと思います。鈴木様、本日は誠にありがとうございました。

株式会社トーリク

1954年創業。同社は13ヵ所の事業所と2ヵ所の大型物流センターを保有し、自動車部品・住宅関連・飲料関連の輸送を中心に物流サービスを展開。多様化する顧客ニーズに応えるため、輸送ネットワークと組み合わせたロジスティクス機能の拡充により、さらなる他社との差別化を図っているのが強みとなっている。

神奈川県平塚市四之宮6丁目10番32号