ドライバー不足の解消に 一歩先の対策を共創する。

株式会社明和油送様(東京都中央区)
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登場人物(2021年11月取材当時)
株式会社明和油送 教育・人材開発室 室長 亀谷 剛様
株式会社明和油送 安全環境室 室長 川浦 理也様
UDトラックス株式会社 東京西部地域営業部 カスタマーアドバイザー 塚本 修平

株式会社明和油送 教育・人材開発室室長の亀谷様。大型車の運転を楽しんでもらえることが、人材問題の解消につながると語られた。

株式会社明和油送 安全環境室室長の川浦様。「2024年問題」をはじめとする様々な経営課題に日々取り組んでいる。

東京西部地域営業部カスタマーアドバイザーの塚本。ドライバー教育プログラムなど、販売以外にもお客様の支援につながる施策を、積極的に提案している。

関東一円で、主に石油製品の専属配送に特化し、迅速に業務を行う株式会社明和油送様。大型タンクローリーという特殊な輸送の分野において、様々な創意工夫により、「安全輸送・安定供給」を行う企業に成長したその経緯。そして最近UDトラックスのUDアクティブステアリングを搭載したQuon(クオン)を導入した理由について、当社の塚本が、川浦様と亀谷様にお伺いしました。

 

物流業界の「2024年問題」政府主導による「働き方改革」

(塚本) 普段は安全活動における責任者としてご活躍の川浦様ですが、特に経営課題として捉えていることはありますか。

(川浦) 安全意識の向上や労働環境、待遇面の改善や健康管理など、課題は山ほどあるのですが、特に重要なのは、ドライバーの労働時間に関する「2024年問題」ですね。政府主導の「働き方改革」により労働環境の改善を行い、「魅力ある職場づくり」を促進する法改正で、ドライバーの人材不足解消や生産性向上を狙っているのです。このような大きな変化に直面する時代だからこそ、原点に立ち返り、何よりも「安全」というものにこだわっていきたいと考えています。ハードとソフトの両面で「安全」を追求していくことが、荷主様からの信頼につながり、物流企業としての価値を高め、結果としてドライバーさんにとっても安心して働くことができる会社になると確信しています。この「2024年問題」を乗り切り、着実に成長していくためのアイデアを全社員が常に考えていくことが求められていると思います。

 

新人採用は先行投資長期的な人材確保のために

(塚本) 御社は、未経験者を積極的に採用されていることも特徴的です。埼玉営業所の敷地内では、運転操作や荷卸作業の研修をされていますね。

(亀谷) 弊社では、8割以上の人が未経験の入社です。見渡せばほとんど新人という雰囲気。タンクローリーのドライバーとして必要な資格である大型免許や牽引免許、危険物取扱者資格がなくても入社を希望する方も多くいらっしゃいます。当社の新人教育システムには「資格取得支援制度」があり、会社が全額補助を出して、免許を取ってもらいます。また、進捗に応じた段階的な教育マニュアルに基づく懇切丁寧な指導に、かなり昔から取り組んでいます。ドライバー不足を補う施策の一環ですね。大型免許を取得してもいきなり公道での運転は無理なので、「教育訓練スケジュール」を組み、車庫内で運転訓練、特にバックや着車の徹底指導をします。特に新人だから小さい車からステップアップしようということは一切ないですね。小さい車で慣れても、大型車になったときに乗車感覚が変わってしまうので、最初から大型車に乗ってもらう方が安全です。トレーラー希望者には意欲さえあれば、いきなりでも挑戦してもらっています。単独乗務できるまでは、OJTの2人乗車で訓練します。未経験者にやりがいをもって頑張ってもらうために、特に気を付けているところは、まずは大型車の運転を好きになってもらわないといけない。コミュニケーションを密に取りながら「大型車の配送はこんなに楽しいぞ」と思えるよう、常に意識して指導をしていますね。

「安全は、すべてに優先する」を合い言葉に、生活インフラやエネルギー社会を支える、大型タンクローリードライバーの精鋭たち。

ドライバー不足に貢献するUDアクティブステアリング

(塚本) 今回は新しいステアリング機能を搭載したQuonを3台導入させていただきましたが、ご評価はいかがでしょうか。

(亀谷) 例えば未経験の新人によくあるのが、ハンドル回しの遅れですね。大型トレーラーの運転は、目一杯にハンドルを回す作業が多い、右に切ったり左に切ったりと。ハンドル操作の遅れによって、目標位置になかなか着車できないことがよくあります。その部分のアシストという面ではすごくいい機能だと思います。UDアクティブステアリング搭載車はこうした大型車の運転の難しさを解消し、経験の浅いドライバーでも運転しやすく、ベテランにもストレス軽減につながるので、ドライバー不足解消の一助になっていますね。

(川浦) 納車されてまだ日が浅いのですが、社員の声を集めると、スムーズにステアリング操作できる印象ですね。最初は軽すぎるかなと感じたドライバーも、すぐ慣れているようです。そもそも大型車でも男性なら片手でハンドルを回せますが、乗用車並みにとてつもなく軽い感触なんですね。まるで異次元のよう(笑)。僕はこの前、初めて高速道路を走りました。納車されたQuonは、ESCOT-Ⅵのシフトに加えてLDP(車線逸脱抑制機能)も搭載されて、各機能が合わさり全くストレスがなく快適に高速を走れました。もうアクセルをただ踏んで、ブレーキで止まるという操作だけですね。

(塚本) もともと明和油送様には2021年の3月にお車の代替えのご相談をいただいておりました。そんな折7月に新しいステアリング支援機能の記者発表が行われた経緯があります。

(川浦) この新機能については、塚本さんからのご案内で知りました。日本の商用車メーカー初のそんなに凄い機能があるのかと……。試乗車がなかったので、オンラインで開催されたUDアクティブステアリング発表会に参加して認識を深めました。納車までかなり待ち遠しかったですね。塚本さんにも、もろもろの要望に応えていただきまして、本当にありがとうございました。

積荷や路面状況、横風などにも左右されない安定したステアリング感覚を実現し、疲労軽減や安全にも寄与する、UDアクティブステアリング。

大型トラックのハードルを下げてくれるUDトラックス

(川浦) 先ほどもお伝えしたとおり、弊社は8割以上が未経験入社。大型タンクローリーの運転は、プロ中のプロの仕事で、ハードルが高いなと思ってはいたけれど、そんな不安をQuonのような車両の操作性や安全性の向上が補ってくれる。ドライバーを目指す未経験者の強い味方だと思います。また、先ほど亀谷が言ったように、楽しんで大型車を運転できる、要は乗用車と同じように簡単に動かせるんだと思えるようになると、継続して乗務する要因にもなるのではないかと思います。今回のUDアクティブステアリングもそうなんですが、ドライバーに寄り添う商品力のある大型車をUDトラックスさんからどんどん提案していただければ、ありがたいなと思っています。そうすれば、ドライバーの雇用状況の好転にもつながっていくのではないでしょうか。

(塚本) 私の目標としては、車両の販売だけではなく、安全講習や燃費講習を含めた様々なプログラムをご用意して、ドライバーの方の安全意識や運転品質の向上に貢献できたらと思います。今後も様々な情報をご提供・ご提案させていただき、「2024年問題」をはじめとする、経営課題解決のためのお手伝いができましたら幸いです。本日は誠にありがとうございました。

株式会社明和油送

2000年設立。現在、タンクローリードライバー約30名を抱え、石油エネルギー製品を中心に、関東圏のSS(サービス・ステーション)への専属配送を担っている。「安全・的確・信頼・好感」というポリシーのもとに、大手の石油元売会社からの信頼も厚い。

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